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ぶつぶつ呟いたり妄想を晒したり小説を載っけたりしてます。
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久々に読み返したら、やっぱり面白かった。
まだ六巻までしか買ってないんですよね。あと四冊買わなくては!余裕があるときに!(だって一冊約900円って…orz

小話は、なんとなく。勢いです。
悟空の一人称。小話とも言い難い(アハハ)

ブクマも長らくお待たせしました。
また挨拶に回らなきゃなー!


 さあて、考えよう。
 釈迦如来に騙され五行山に閉じこめられてから、五百年。実は五の前に多分がつくのだが、まあいいだろ。大して違いはあるまい。
 この五百年というもの、全くもって面白いことなどなかった。自虐趣味のない俺には当たり前なんだがな。
冷え冷えする石の床も、鉄の団子も、溶かした銅のスープもいい加減飽き飽きだ。
「そなたの罪業は、それだけ深いのだよ。それにそなたを助けたら、おそらくまた災いをひきおこすだろう」
 断定かよ。救苦救難大慈大悲の南海観世音菩薩とは思えない言い種だな、おい。
 ともかく内心のツッコミをきれいに押し隠し、俺は石牢の間から覗く菩薩に懇願した。
「もうとっくに後悔してますってば! お慈悲ですから、これからの道筋を教えてくださいよ。ちゃんと真面目に修行しますから」
 俺は誠心込めた懇願をしながら、菩薩の後ろに控える二郎神を盗み見た。すると、奴め、俺を見ながらせせら笑いやがった。てめえ、ここを出たら覚悟しやがれ。そのすかした面をもう人前では出せないようにしてやるからな!
 とまあ、俺がこんなことを考えている間にお優しい菩薩さまは俺の考えを考慮してくれたらしい。
「なら、待つがよい。わたしはこれから如来さまのご命令により、これから東土の大唐国に行き取経の人を見つけるが、その人にそなたを助けてもらうことになるだろう。そなたは、その人の弟子となり、我が仏門に入り、修行を積むのだ」
 これには、流石の俺もガツンときたね。くそったれ、頭を鈍器で殴られたみたいだ。もちろん、俺の頭は鈍器で殴られても全然へっちゃらなんだが、それは置いておこうじゃないか。
 待てだって? 五百年もの間この石箱に放り込んだまま放っておいたくせに、その上まだ此処に居ろってのか。おい、観音さまよ。あんたは知らないだろう、いつだって上で見届けてるだけのあんたには想像もつかんだろう。
たまには地べたに這い蹲って地の冷たさを知りやがれ。光だとお前達が呼ぶ天の無情さを身にしみろ。
 けれど、今はそれよりも己のことだ。待てと言うのが大好きな御仁の言う通り、待ってやろうじゃないか。それで地をまた俺の足下に這い蹲らせ、天を俺の光だと叫んでやるよ。
「きっと、この孫悟空、そういたします!」
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Author:津川宥
日々妄想しながら、ぼちぼち小説を書いてます。
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