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だからといって、なんでツナと雲雀さんは結婚しないんだろうとか末期症状に至ってる私の脳内妄想を語るのも迷惑だし。けどプログがとまると更新の目処が立たないし、で。
苦肉の策を始動させます!
ずばり。書き終わってない、執筆中の小説を載せる。
途中で止まるかもしれないといった不安要素もり沢山の小説群です。一応、二日に一度更新をメインにしていきたいので、一度の更新分は1500字以内とさせていただきます。まあ最大を1500字と銘打ってますが、実際は1000字ちょっとかと。負担をかけすぎると更新が止まるのが目に見えてますので。(ダメダメで御免なさい)
拍手パチパチ、どうもありがとうございました!!こんなサイトでもヒバツナを読みに拍手まで押してくれる人達はいるんだね!(なのに、その拍手お礼のヒバツナがあんなのでマジすいません)意欲メーターがぐぐーんと伸びました!がんばります!
それでは第一回更新分。
まだタイトルが決まってないので、使用する(予定)のお題のタイトルを仮タイトルとしてお借りすることにします。ちなみに、配布元(http://207.noor.jp/)
沢田綱吉には友と呼べる友人がいない。
それに関して主な原因を挙げるのならば第一に彼の性格であったが、それ以前に彼自身が『人間ではない』ことにあっただろう。
そう、沢田綱吉は一般に狼男と呼ばれる存在であった。
ちなみに生まれつきであり、後天的なものではない。彼の父、沢田家光が狼男であったのだ。綱吉は父親の血をしっかり受け継いだことになる。
幼少の頃、綱吉はそれらについて不満を抱くことはなかった。狼の姿にさえならなければ、彼らの姿は人間のものと変わらない。だから人間社会に潜ることも簡単にできた。そして人間を母親に持ったからか、綱吉は人を食料と見ることも襲うこともない。確かに肉を好むが、それも好物の域を出ない程度。
ただし身体能力だけは狼のソレであった。
徒競走では一番をとり、木登りをすると誰よりも高く登ることができる。年々と身体能力が上がっていく子どもに、家光と奈々は己の力を制御するよう言い聞かせ続けた。高い身体能力も、度が過ぎれば人の目には異形に映る。運動神経が良い、という言葉では片付けられない力を既に幼い彼は持っていたのだ。
両親の抱いていた危惧を拭うように、幼かった綱吉は彼なりに本来の力をひけらかすことなく制御していた。まだ五、六歳の子どもが。それは驚嘆に値する、見上げた自制心である。
しかしその自制も、彼が小学二年生の時に破られた。それも――最悪の結果を残して。
些細な喧嘩だった。外野から見れば他人事の、呆れるような理由が原因の子どもの喧嘩。
綱吉は争い事を嫌う性格であったが、売られた喧嘩を買う気の強さはあった。だから今まで口喧嘩だったり、身体を張った喧嘩をしなかったわけではない。ただ加減を忘れたのは初めてだった。
簡単にいえば―――キレたのだ。
己の爪と牙で相手をひどく傷つけたのだと、そう気づいたのは駆け付けた先生によって身体を抑えられた後だった。
呆然と痛みに泣きわめく子どもの姿を目にし、そして辺りに噎せる血の匂いに綱吉はサッと顔を青ざめ、気が付けば踵を返していた。呼び止める声を振り切り、一目散に逃げる。地面を強く、強く蹴って。ひたすらに。
そのとき綱吉が感じていたものは純粋な恐怖であり絶望だった。
先生に、両親に叱られることを恐れたのではない。彼は自身の爪と牙に染み込んだ血と肉の味に恐怖し、絶望した。
綱吉はそのとき初めて自身が人間ではないことを『理解』したのだ――。
結局、“些細な喧嘩”になるはずだったそれは相手の子どもに二週間の入院を強いつけ、綱吉の心に深い傷を刻みつけた。